「ツーストとは何のこと?」
「バイク通勤にはどちらが向いているの?」
そんなアナタのための記事です。
もくじ
バイクのエンジンの仕組みを10秒で解説
バイクも車もエンジンの中でガソリンを燃やして、そのエネルギーを上手いこと利用して車体を動かしています。
どのバイクも基本的にはそれだけのことですが、細かく見ていくと、ガソリンを扱う工程が違っています。
工程が違うのには、
- パワーと燃費のどちらをとるか
- 環境へのやさしさ(排ガスの質)
という観点が挙げられます。
バイクの目的に合った工程が必要なのです。
その工程の種類が、「ツースト」や「フォースト」と呼ばれるものなのです。
「ツーストのエンジン」や、「フォーストのエンジン」がバイクに搭載されています。
「スト」は、ストローク(工程)の意味で、1セットの動きをするのに、2工程で済ませるのがツースト(2st)、4工程かけるのがフォースト(4st)です。
ツーストとは?
ツーストエンジンとは、ガソリンの燃焼行程が2工程だけであるものをいいます。
人間の呼吸で考えると、「吸って、吐く」というシンプルな仕組みです。
(正確には、ツーストエンジンは吐きながら吸っています。)
単純に考えれば、工程が少ない方がエンジンの仕組みが簡単だし、同じ時間でもたくさん回せそうな気がしますよね?
確かに、エンジンとしての仕組みは簡単で、たくさん回る(回す)のがツーストエンジンです。
ただ、たくさん回るがゆえに、燃やし切れていない燃料を捨ててしまうことになり、燃費が悪くなるという欠点があります。
「エンジンの回転数を落として走ればいいのでは?」
と思うかもしれませんが、ツーストのバイクでそれはできません。
パワーバンドと呼ばれる比較的高めの回転数で回していないと、エンジンが壊れます。
素人では直せない感じで壊れます。
そういう意味では、ツーストのバイクは「上級者向けのバイク」であるとも言えます。
とは言っても、今の時代に国内で新車で買えるツーストの通勤用バイクはありません。
今後も出ないでしょう。
排ガス規制が進んで、フォーストですら生産できなくなってるくらいですからね。
わざわざツーストのバイクに乗っている人は、レーサーか、よほどバイクが好きな人だと思いますよ!
フォースととは?
フォーストとは、ガソリンの燃焼行程に4工程かけるものをいいます。
また人間の呼吸で考えると、「吸って、体中に酸素をいきわたらせて、体中から二酸化炭素を集めてきて、吐く」というイメージです。
ツーストよりかなり丁寧になりましたね。
ツーストより倍の工程を踏むことになるため、なんだか無駄なことしてそうな気がしますが、そんなことはありません。
より燃料を無駄にしないように(燃費が良くなるように)設計されたエンジンなのです。
具体的にちょろっとだけ説明します。
ツーストでは、エンジン内部に新しいガソリンを入れるのと同時に排気ガス(ガソリンの燃えカス)を捨てていました。
そのため、新しいガソリンも外に出てしまったり、排気ガスが割と残っていたりする状態で次の燃焼を始めることになります。
しかし、フォーストでは、新しいガソリンがエンジン内部に入るタイミングと、排ガスを外に出すタイミングが完全に分かれており、次の燃焼では、新しいガソリンを多く燃やすことができます。
無駄なものが少ないと、有効にエネルギーを活用できるため、結果として、バイクの燃費が良くなる、ということになります。
バイク通勤に向いてるのは?
言うまでもなく、フォーストです。
燃費の悪いバイクで通勤するのはあまり気持ちがよくないですよね?
(好きなバイクがたまたま燃費の悪いバイクであれば、話は別ですが。)
フォーストのバイクでバイク通勤を始めましょう!
むしろ、ツーストのバイクを手に入れる方が難易度高いと思います。
車体数はまだありますが、どんどん少なくなってきます。
バイク乗りとして、趣味として一回くらいは乗ってみるのもいいかも。